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CBDは発達障害(ASD・自閉症スペクトラム症やADHD・注意欠如多動症)による症状や、それによって生まれる二次症状の抑制につながるか?

【CBDと病気・症状シリーズ パート4】

脳の働き方の違いによって生まれつき行動や情緒に特徴がある状態のことを「発達障害」といいます。発達障害は病気ではないものの、障害を持っている人が生きづらさを感じたり、その親が育児に悩みを抱えてしまうケースは決して少なくありません。

大麻成分の一種であるCBD(カンナビジオール)は、発達障害による行動やそれによって生まれる二次症状の抑制につながると考えられています。そこで今回は代表的な発達障害であるASDやADHDとCBDの関わりについて、CBDの専門家である正高佑志医師の著書とYouTubeチャンネルなどをもとに解説します。

ASD(自閉症スペクトラム障害)とは

ASD(自閉症スペクトラム障害)は、自分の気持ちを伝えたり、相手の気持ちを読み取るなどのコミュニケーションが苦手だったり、特定のものや事柄へのこだわりが強かったりする特徴があります。感覚が過敏な人もいます。

例えば、乳幼児期には、目を合わせない、指差しをしない、言葉の発達が遅く、一人遊びが多くなり、かんしゃくを起こしやすいことでASDと気付かれることもあります。また極端な偏食やミニカーやビデオなど興味があることに対しては何時間も熱中する一方、初めてのことやルールに従うのが苦手な性格が顕著になるケースも少なくありません。家庭や学校、職場などの人間関係や臨機応変な対応が苦手なことから、悩みを抱えて精神的な不調を抱えてしまう人もいます。
その結果、頭痛や食欲不振、不眠などの身体症状やうつ、緊張やパニック、興奮、自傷行為といった精神症状などの二次症状を発症してしまうことも多く、約7割の人が1つの精神疾患を、4割以上の人が2つ以上の精神疾患をもっているとも言われています。また、同じ病名でも特性の現れ方には個人差が大きく、いくつかの発達障害を併せ持つ人も多いです。
自閉症スペクトラム症の人は約100人に1人いると言われています。

現在、ASDを治癒する薬は存在しません。ただし、ASDの二次症状や行動が著しい場合に対してはそれらを抑制するための薬物療法を併用するケースもあります。
親や配偶者、学校、職場などの身近な人々が本人の特性を理解して支えることが何よりも重要だとされています。
それを前提として幼児期では個別もしくは小規模の集団での「療育」による対人スキルや適応力の向上が図られるほか、成人を対象としたデイケアなどのリハビリテーションを行う施設もあり、生活自立・就労等の支援が行われています。

※出典:厚生労働省「発達障害

イスラエルの調査では、CBDの投与でASDの子供の「かんしゃく」や「けいれん」が軽減したという報告も

ASDが起因する様々な身体的・精神的な不調に対して、CBDの効果が期待されています。
2007年にイスラエルが行った調査によると、CBDを含む薬がASDによる多様な症状に効果があることが明らかになっています。

調査では、ASDの子どもを対象に15mgのCBD製剤を1日3回の舌下摂取を開始。親の判断で増減しながら、数年にわたって治療を継続しました。

この研究で用いられた薬は、CBDの量が多くTHCの量が少ない「フルペクトラムオイル製剤」というものです。具体的には、CBDとTHCの比率が20:1のフルスペクトラム製剤です。
微量であっても日本では流通が禁止されている大麻成分「THC」が含まれていることに注意しなければなりません。そして、現在の日本では医療目的であっても医療大麻を利用することはできないということを理解する必要があります。

この治療の結果、ASDの代表的な症状である「かんしゃく」や「けいれん」のほかチックや抑うつといった二次症状がある90%以上の対象者が軽減しました。また、過度な興奮や睡眠障害、消化不良に関しても約80%が改善を実感しています。

特に顕著だったのが睡眠障害の改善で、CBD製剤の使用前は47%が「睡眠が困難」と回答していましたが、CBD製剤の摂取後には同様の回答を人はわずか2%まで減少しました。また、集中力の維持についても「とても困難」と感じていた80.6%の人が、摂取後には22.6%まで低下しています。さらに過興奮や問題行動を抑止するために服用していた薬の量も減少し、20~30%の人が薬を止めることができたという結果が明らかになっています。

この研究結果から、CBDを多く含むの医療大麻はASDの治療薬として有効性のある選択肢と考えられているのです。

CBDはADHD(注意欠如・多動症)にも効果があるか?

不注意によるミスや居眠りなどの「不注意性」、長時間じっとしていられない「多動・衝動性」、それらが混合する症状の「ADHD」のメカニズムはまだ解明されていません。
ただ、ADHDは脳内神経伝達物質である「ドーパミン」、「ノルアドレナリン」の働きの低下による先天的な脳の機能的な障害であることは明らかになっています。

現在のADHDの薬物療法は一般的にコンサータやストラテラなど、ドーパミンやノルアドレナリンの働きを助ける薬剤が処方されています。、特に重要なのは、本人と周囲がADHDを理解し、受け入れて協調性などを身に付けつつ、薬物療法によって症状をコントロールすることが中心となっています。

CBDがADHDに効果があるという科学的な証拠は、残念ながら2021年9月現在は十分に揃っていません。THCが含まれた小規模の研究では多動・衝動性にわずかな改善が見られたものの、CBDそのものに十分に効果があるとはいえない結果となっています。

厚労省が2022年の法改正を目指し、医療大麻の国内使用を解禁する方向へ

ASDとCBDの関係性について解説しました。
ASD治療においてCBDの成分が大半を占める「フルスペクトラムオイル製剤」が既に海外では利用されているものの、THCが含まれているため法律上の問題から日本国内では活用されることは困難です。

ただ、厚生労働省が22年度の法改正を目指し、医療大麻の国内使用を解禁する方針を明らかにしていることから数年内に状況が変化する可能性もゼロではありません。

今後のCBDをめぐる動向を注視して、早めに情報収集することをおすすめします。