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エンドカンナビノイド欠乏症候群に関わる病気とCBDの役割とは

大麻成分CBD(カンナビジオール)は、海外を中心に医療品として活用されるケースが一般的です。特に身体調節機能「エンドカンナビノイドシステム」とは密接な関係があり、CBDを摂取することで同機能の低下や不調と深い関連がある症状の改善などが期待されています。
ただ、海外の研究に使われる大麻成分には日本では流通が禁止されている「THC」が含まれていることが多く、CBDそのものの効果が見込めるのか分かっていないケースもあります。

そこで今回は、CBDの専門家の正高佑志医師のYouTubeチャンネル「Japan Green Zone」や著書などから学んだ情報をもとに、2021年8月時点のエンドカンナビノイド欠乏症候群における「CBDそのもの」の効果と役割について解説します!

エンドカンナビノイドシステムとは

エンドカンナビシステムは、私たちの体内で分泌される神経伝達物質「エンドカンナビノイド」、分泌されたエンドカンナビノイドが作用する「エンドカンナビノイド受容体」、さらにエンドカンナビノイドを分解する「エンドカンナビノイド分解酵素」の3つの要素の総称です。

今回の主役はエンドカンナビノイドですが、他の2要素も解説で登場するのでそれぞれの概要を把握しておくことでより理解が深まるでしょう。エンドカンナビノイドシステムについて「あまり分からないなぁ」という人は、まず以下の記事を確認してみてください。

※関連記事:ECS(エンドカンナビノイドシステム)ってなに?CBD(カンナビジオール)との関わりとは

エンドカンナビノイドシステムは体温、血圧、脳への血流、免疫といった幅広い生理機能が適切に自動調整されると考えられています。しかし、なんらかのきっかけでエンドカンナビノイドシステムが機能不全に陥ってしまった場合、逆に体のあちこちで悪影響を及ぼす可能性が高まってしまうのです。
その大きな理由である「エンドカンナビノイド欠乏症候群」について、以下で解説します。

エンドカンナビノイド欠乏症候群とは

エンドカンナビノイド欠乏症候群とは、前述した体内で分泌される神経伝達物質「エンドカンナビノイド」が不足してしまうことを指します。医療大麻の世界的な研究者であるイーサン・ルッソ氏がその存在を提唱しており、原因は先天性、加齢などが挙げられます。ただ、神経伝達物質は非常に計測しにくい分泌物という特性を持つので、まだ明確な結果を挙げている研究は行われていません。

ただ、神経伝達物質の不足による体の不調は「ドーパミンとパーキンソン病」、「アセチルコリンと認知症」、「セロトニンとうつ病」など数多くの症状と紐付いていることから、エンドカンナビノイドの不足でも同様のケースは十分に考えられます。

エンドカンナビノイド欠乏症候群の場合、特に関連深い症状としては「過敏性腸症候群」、「偏頭痛」、「繊維筋痛症」の3つが挙げられます。それぞれの症例についてCBDの効果が期待できるのか、以下で解説していきます。

CBDと「過敏性腸症候群」

過敏性腸症候群は先進国の20~40代が発症しやすい病気で、IBSと称されることもあります。全国で1200万人もの患者がいると考えられているものの、実はその原因ははっきりと分かっていません。そして、ストレスや刺激、自律神経の乱れなど様々な要因の1つに「カンナビノイド欠乏症候群」が挙げられるというわけです。

日本消化器病学会ガイドラインによると、過敏性腸症候群は生活習慣の改善を前提として「消化管機能調節薬」、「プロバイオティクス」などの薬物治療が主流となっています。
過敏性腸症候群の治療に対するCBDの有効性を検証する研究結果は、2021年8月現在、報告されていません。ただ、既に明確になっているいくつかのCBDの効果が、過敏性腸症候群の症状緩和につながることが十分に考えられます。その例を以下で紹介します。

■過敏性腸症候群の緩和につながるCBDの役割
・鎮痛効果
・セロトニンの過剰分泌の抑制
・ストレス軽減

CBDの有用性が確立できた場合、治療の幅が広がることにつながるでしょう。

※日本消化器病学会ガイドライン「過敏性腸症候群(IBS)ガイドQ&A

CBDと「片頭痛」

突発的に頭痛が発生する「片頭痛」は、国内で840万人の罹患者がいるものの過敏性腸症候群と同様、その全貌は解明できていません。原因もホルモンバランスの変化、気圧、疲労、ストレス、睡眠不足といった環境的な要因からチラミン、アルコール、カフェインなどの摂取など様々です。
片頭痛の治療は、頭痛が起こった際に服用する「急性期治療薬」と普段から服用することで発作を起こりにくくしたり、症状を軽減させる「予防的な治療薬」といった薬物療法が主流です。しかし、急性期治療薬を使用しすぎると頭痛が悪化したり、慢性化したりすることがあります。そのため、より病態理解に基づいた新薬が待たれています。
CBDに関しては、海外において、日本で禁止されているTHCが含まれた医療大麻の研究は行われていましたが、CBDのみで偏頭痛を和らげる効果があるか検証した例は最近まで実施されていませんでした。

しかし、2021年6月にアメリカのサプリメントメーカー、クソン・リリーフが「CBDが偏頭痛緩和に効果がある」という調査報告を発表したのです!
その内容によると、偏頭痛持ちの105人を対象に30日間CBDオイルを服用し、期間中は頭痛の日常生活や機能能力への影響を測定。その結果、頭痛を経験した日数が23%減少し、平均3.8日となったのです。さらに慢性的な偏頭痛患者は、頭痛のある日が33%も少なくなったことが明らかになったのです。

このように、CBDは予防薬の1つとして期待されています。

※出典:一般社団法人日本神経学会「頭痛

CBDと「線維筋痛症」

線維筋痛症は全身の筋肉や骨の痛みなどの症状で現れ、それによって記憶障害、睡眠障害といった精神症状をともなう病気です。こちらも発症の原因は明らかになっていません。
そのため、根本的な治療法はありません。個々の病状に応じ、痛みの緩和を目的として、多剤を組み合わせた薬物療法や、運動療法、精神・心理療法といった治療を組み合わせていきます。
CBDの効果は現在のところ検証が不十分ではありますが、鎮静作用のほか、抗酸化作用による神経保護の役割が線維筋痛症の症状緩和に効果があると期待されています。

実際、帝京大平成大学東洋医学研究所などが行った研究によると、線維筋痛症を患う2人の患者に1カ月間で毎夕2滴ずつCBDオイルを経鼻投与したところ、左背部や顔面などの患部の痛みが半減した結果が得られています。

※出典:日本補完代替医療学会「CBDオイルの経鼻投与を行った線維筋痛症の2例

CBDの検証・研究の動向に注目

エンドカンナビノイド欠乏症に関わる3つの病気とCBDに期待されている役割、効果について紹介しました。いずれの疾患にも高い効果が期待される一方、これまでは研究自体が行われておらず立証が難しいとされていました。しかし、CBDに対する注目が集まるなかで徐々に研究に乗り出す機関も現れつつあります。CBDは既存の薬よりも副作用が少ないなど、服用者にとってもメリットが大きいので今後の動向に注目しましょう。

※参照:著 正高佑志「お医者さんがする大麻とCBDの話」
※参照:YouTubeチャンネル「Japan Green Zone